脳のはなし

世界初! アルツハイマー型認知症薬がアメリカで承認

アメリカFDA(食品医薬品局)が、アメリカの製薬会社バイオジェンと日本のエーザイが共同開発したアルツハイマー型認知症の治療薬「アデュカヌマブ」を承認したと発表しました。

これまでのアルツハイマー型認知症の新薬は、残った神経細胞を活性化させることで発症を数年遅らせるものでした。しかし「アデュカヌマブ」はこれまでの新薬と違い、認知症の原因物質アミロイドβを取り除いて神経細胞を壊すのを防ぐなど、病理に作用する画期的な治療薬だそうです。

臨床試験は、軽度認知障害(MCI)の人や発症から初期段階の軽症者約3200人を対象に、約1年半にわたって投薬し認知機能などへの有効性を調べたものです。

中間解析の段階では有効性が確認されないとして試験の中止勧告を受けたものの、最終解析の結果、脳内のアミロイドβを59%〜71%減少させることができたのだそう。また、もう1つの臨床試験では、認知機能などの悪化を22%抑えたと報告されています。

ただし、今回の承認は追加の臨床試験で検証を続けることを条件に「迅速承認」されたもの。追加の臨床結果によっては、承認が取り消されることもあるといいます。

気になる治療薬「アデュカヌマブ」の値段は、バイオジェンによると4週間に1回の点滴の投薬で、1年間の薬剤費は5万6000ドル(約610万円)。1か月約50万円と高価ですが、アルツハイマー型認知症の治療薬として大きな期待が寄せられています。

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

※ ご自身の脳についてもっと知りたい方は、川島隆太博士監修の「脳のはなし 6日間無料メール講座」の受講をおすすめします。

  • 脳活動と日常生活の関係性
  • 現在脳科学でわかっている事実
  • 効果的な脳の鍛え方

などを6日間にわたってメールでお伝えします。
ご登録はこちらから