脳のはなし

ストレスによる脳萎縮を防ぐ、ある飲み物

強いストレスを受けたとき、頭が真っ白になって何も考えられなくなった……という経験は、誰もがあることでしょう。

実際に、ストレスは思考や理性など人間らしい高度な精神活動を担っている脳の「前頭前野」に影響を及ぼし、それらの働きを阻害してしまうことが指摘されています。また動物実験でも、長期間のストレスにさらされると脳が萎縮したり、認知機能が低下することが明らかになっています。

いつもクリアな脳の状態を保つためにも、ストレスはなるべく軽減したいものですが、日々の仕事や人間関係のなかで、ストレスを完全に避けることはなかなか難しいのが現実です。それであれば、自分でできるストレスマネジメントの方法をいくつか持っておくことは、脳のパフォーマンス維持のためには必須の対策といえるでしょう。

そのひとつの方法として「緑茶を飲む」ことが有効である可能性を示す研究をご紹介しましょう。東北大学加齢医学研究所と静岡県立大学茶学総合研究センターの共同研究では、アミノ酸の一種である「テアニン」を含む水溶液を与えたマウスにストレス負荷をかけたところ、ストレスによる脳萎縮を抑制できることが分かりました。

テアニンは、緑茶に最も多く含まれるアミノ酸であり、旨味成分の一つとして有名です。

仕事をする前に一杯の緑茶を飲む。そんなちょっとした習慣が、ストレスから自分の脳を守り、パフォーマンスアップにつながることが期待できそうです。

参考:https://www.mdpi.com/2072-6643/12/1/174

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

※ ご自身の脳についてもっと知りたい方は、川島隆太博士監修の「脳のはなし 6日間無料メール講座」の受講をおすすめします。

  • 脳活動と日常生活の関係性
  • 現在脳科学でわかっている事実
  • 効果的な脳の鍛え方

などを6日間にわたってメールでお伝えします。
ご登録はこちらから