脳のはなし

根を詰めるかこまめにやるか…効率的な勉強法はどっち?

学生時代、定期試験の勉強は、2週間前からコツコツ毎日少しずつやっていた。もしくは試験前日に一夜漬けで乗り越えた。あなたはどちらのタイプだったでしょうか?

多くの方は、経験値としてすでにお分かりのことかと思いますが、脳科学的に言えば、より成績が良くなるのは、やはりコツコツタイプです。

学術的にはコツコツタイプを「分散効果」、一夜漬けタイプを「集中効果」として、これまでにいくつかの記憶研究が行われています。そのいずれも、「学習は集中させるよりも、時間の感覚を空けて分散させるほうが記憶保持に効果がある」という結果でした。

つまり、一度にすべて終わらせるよりも、2つないしは3つのフェーズに分けて学習する。もしくは、やるべきすべての範囲を8時間かけて終わらせるよりも、4時間かけてざっと学習し、数日おいてもう一度4時間かけて一通り復習するほうが、より効率的に学習できるということです。

学習塾などは、この分散効果を踏まえて「復習」という形で問題文を変えながら、数日もしくは数週間、数カ月の間隔をおいて繰り返し学習させる方法をとっているところも多いようです。

覚えるべき仕事や大事な資格試験、昇進試験の前には、まとめて一気に学習せず、計画的に分散しながら復習を繰り返すほうが、よりよい結果に近づくことができるでしょう。

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

※ ご自身の脳についてもっと知りたい方は、川島隆太博士監修の「脳のはなし 6日間無料メール講座」の受講をおすすめします。

  • 脳活動と日常生活の関係性
  • 現在脳科学でわかっている事実
  • 効果的な脳の鍛え方

などを6日間にわたってメールでお伝えします。
ご登録はこちらから