脳のはなし

認知症予防のためのウォーキングは1日5,000歩を目標に

認知機能を高めるのに効果があるといわれる有酸素運動の中で、手軽なものにウォーキングがあります。では、どれくらい歩くと効果があるのでしょうか。
東京都健康長寿医療センター研究所の青栁幸利さんの「中之条研究」によると、認知症予防のために1日5,000歩(うち速歩きなど中強度の活動時間が7.5分)程度から、効果あることがわかりました。

「中之条研究」とは、15年以上かけて群馬県中之条町に住む65歳以上の高齢者5,000人を対象とした、病気予防と日常の身体活動(歩き)との関係についての大規模な健康調査です。それぞれの病気を予防するガイドラインは表の通り、歩数と中強度の活動時間(速歩き)によって、動脈硬化や高血圧・糖尿病など予防できる病気は変わります。以前は、健康のために1日1万歩以上歩くといいといわれていましたが、人によって、歩きすぎが元でケガや痛みなど健康を害することが心配です。

「中之条研究」では、歩数だけでなく、ウォーキングの強度(歩く速度)も重要だということです。歩く速度は、速歩きくらいの中強度の活動が最も効果があるそう。散歩やショッピングの時のように、ゆっくりとウォーキングするだけでは、いくら歩数が多くても認知症の予防効果は望めないということです。

速歩き(中強度の活動)の目安は、歩いていて会話ができるけれど、歌は歌えない程度の速さ。脳トレの効果があるのは、1日8000歩、速歩き20分ですが、まず、1日5000歩を目指しましょう。

病気の予防ライン

1日あたりの歩数 中強度の活動時間 予防が期待できる病気
2000歩 0分 寝たきり
4000歩 5分 うつ病
5000歩 7.5分 認知症、心疾患、脳卒中
7000歩 15分 動脈硬化、骨粗しょう症
8000歩 20分 高血圧、糖尿病、脳トレ
10000歩 30分 メタボリックシンドローム
12000歩 40分 肥満

青栁幸利博士の「中之条研究」より
※青栁博士の「中之条研究」に基づく目安であり、結果を保証するものではありません。

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